体内での脂肪燃焼の仕組みとインシュリンの影響を理解する

脂肪は、体に蓄えられたエネルギーです。脂肪を効率的に消費するには、脂肪と脂肪燃焼の仕組みを理解することが大切です。効率的な脂肪の燃焼には、タンパク質の摂取と適切な運動に加えて、糖質の摂取に配慮し、急激な血糖値の上昇を避けることが大切です。

余分な脂肪を効率的に燃焼し、スリムで、健康的な体を目指しましょう。

「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」

まずは、脂肪細胞に付いて詳しくなりましょう。脂肪細胞には「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の二種類があり、それぞれ違う働きを持っています。

白色脂肪細胞

白色脂肪細胞(WAT)は、体内で使い切れず過剰となったエネルギーを中性脂肪として蓄える働きがあります。

白色脂肪細胞(WAT)は、妊娠末期の三か月(胎児期)、乳幼児期・思春期に集中して増殖し、一度作られると数は減少しにくいです。以前は、思春期までに生涯の脂肪細胞の量が決定すると考えられていましたが、最近の研究では、思春期以降にも体に脂肪が入り切らなくなれば、さらに細胞の数を増やして脂肪を取り込める量を増やすことが知られています。

出典:日本医学会、杉浦 甫教授、脂肪細胞の増殖

褐色脂肪細胞

褐色脂肪細胞(BAT)には、脂肪を燃やして体を温める働きがあります。

骨格筋が少ない幼児期には、脂肪を燃焼して熱を発生させることで体温維持をしているためこの褐色脂肪細胞が多く存在します。しかし、基礎代謝の役割を担う骨格筋ができあがる成人になると、熱源が骨格筋に移行するため、一部を残して減少していきます。

褐色脂肪細胞は、鉄(赤褐色)を含んでいるミトコンドリアが多く存在するため、褐色に見えます。ミトコンドリアに存在するUCP(熱生産タンパク質)が、白色脂肪細胞から分離された脂肪酸を取り込み、エネルギーを取り出します。

脂肪は分解してからエネルギーとして消費される

中性脂肪は、そのままでは、エネルギーとして使用できません。

各組織がエネルギーとして中性脂肪を利用するには、遊離脂肪酸という形に分解される必要があります。人は寒さなどの刺激を受けたり、運動をしてエネルギーが必要になったりすると交感神経の活動が活発になります。すると、リパーゼという酵素が活性化され、中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解します。

この遊離脂肪酸は余ると肝臓へ送られ、また中性脂肪へと戻ってしまいます。

脂肪燃焼メカニズム

活動エネルギーが必要な状態(有酸素運動など)となる (脳が、脂肪を分解する命令を出すきっかけになる運動)

体温上昇、血糖値が下がる

脳が脂肪を分解してエネルギーを生成するよう命令を出す

ノルアドレナリンやアドレナリンなどの「脂肪動員ホルモン(アデポキネチックホルモン)」が分泌される

脂肪細胞に貯蔵されたトリアシルグリセロールを分解する酵素「リパーゼ」が活性化する

脂肪細胞に貯蔵されたトリアシルグリセロールが分解され、グリセロールと遊離脂肪酸となる

血中に放出された脂肪酸は、アルブミン(タンパク質)と結合し、血液で運ばれる。

遊離脂肪酸は「L-カルニチン」と結合しミトコンドリア内に運ばれる

全身の筋肉細胞内のミトコンドリアで、脂肪酸と酸素を消費して、エネルギーとして燃焼される

脂肪を燃やすために、必要なもの

  • 脂肪を分解する命令を出すきっかけになる運動
  • 脂肪を分解する命令を伝達する脂肪動員ホルモン(アデポキネチックホルモン)
  • 脂肪細胞に貯蔵されたトリアシルグリセロールを分解する酵素「リパーゼ」
  • 血液で運ぶために脂肪酸と結合するアルブミン(タンパク質)
  • 脂肪酸を燃焼するための酸素

脂肪を燃やすのは筋肉だ!

筋肉は、安静時にもエネルギーを消費します。脂肪を効率的に燃焼したければ、筋肉を増やすことです。

まずは、糖質が消費される

エネルギーが必要になると、まず、糖質(炭水化物)から作られたグリコーゲンが消費されます。糖質は、高効率なエネルギーであり、運動の激しさが増すほど、瞬発力が必要になるほど、糖質が優先して消費されます。

一方、脂肪(脂質)は、瞬発力を伴わない、持続的な運動で、消費されます。

脳は、糖質だけから、エネルギーを取り出しているため、脂肪を燃やしやすくするためでも、糖質の摂取を大きく制限するのはキケンです。

栄養の一部は、脂肪として蓄えられる

食事から取り込まれた栄養のうち、ブドウ糖と脂肪酸から、脂肪は作られ蓄えられます。

脂肪をエネルギーとして体中に運ぶには、タンパク質が必要

蓄えられた脂肪

脂肪は、蓄えられた場所により、名称が異なります。

  • 皮下脂肪 女性に付きやすい
  • 内臓脂肪 比較的落としやすい。溜め込みすぎると肥満や生活習慣病の原因になる
  • 肝臓脂肪 蓄えすぎると脂肪肝になり、肝硬変などの重篤な肝臓障害を引き起こす。

インシュリンは、脂肪燃焼を抑制し、脂肪を増やす

食事によって血糖値が急激に上昇した時、インシュリンは血液中の糖を減らすように全身の細胞へ指令を出します。その結果、炭水化物や糖を優先してエネルギーとして消費します。そして、炭水化物や糖を脂肪細胞に取り込み脂肪として蓄えます。

インシュリンが分泌された状態で運動すると起こる症状

  • 脂肪が消費されない

    血液中の糖の量を減らすために、糖質が優先して消費されます。

  • 体脂肪が増える

    血液中の糖の量を減らすために、血液中の糖が、脂肪として蓄えられます。

  • 筋肉痛・疲労

    血液中の糖の量を減らすために、糖質を原料として筋肉を動かす。糖質を使い切ると筋肉痛が発生する。インシュリンは、成長ホルモンのグルカゴンの分泌量を抑制するため、筋肉の修復が進まず、疲れやすくなる。

  • めまい

    血糖値が不足することで、めまいが起こる

食事の後に眠くなるのは、インシュリンが原因

「昼食を食べると、決まって眠くなる」という人がいます。  これは、昼食に糖質をたっぷりとってどかーんと上がった血糖値が、反動でどかーんと下がって低血糖状態に陥っていることによって起こります。

そのため、ご飯を減らしたり、食後すぐ、20分ほど歩いたいりすることで、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。その結果、眠気を防ぐことができます。

医者が教える「昼食後に眠くならない食べ方」

インシュリンの分泌を抑え体脂肪を燃焼させるために

  • 運動前の高炭水化物食は控える

    糖が体内に吸収される速度の遅い食材を選ぶことで、血糖値の急激な上昇を抑える事ができます。

    腹持ちの良い食材:玄米、全粒粉のパン、お餅、お肉、繊維質の多い食事

  • 食事バランスでインシュリンの分泌を抑える

    1日の食事の中で、炭水化物:タンパク質:脂質のカロリー割合を、4:3:3にすると、インシュリンの分泌を抑えられ、脂肪分解を促進させるグルカゴンというホルモンが分泌される。

  • 血糖値を安定させるために、間食をとる

    できれば高タンパクなものが望ましく、お菓子や油たっぷりのものは避ける。

 

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