高齢者も若者も、肉を食べると健康に?「肉食のススメ」
高コレステロールを避けるために、コレステロールの少ない食生活が推奨されていましたが、細菌では、健康のためには、積極的に肉を食べたほうが良いといわれはじめています。
ジャンクフードとも呼ばれる、気軽に食べることができる食事は、炭水化物などの糖質は、豊富ですが、他の栄養は、あまり含まれていません。
その結果、生活が忙しくなると、積極的にバランスの良い食事をこころがけなければ、糖質以外の栄養素を摂取できません。成人病の予防に、コレステロールの少ない食生活が、長い間推奨されてきました。その結果、多くの人が、タンパク質の不足した状態になっています。
近年では、高齢者が、肉を食べないと脳卒中や寝たきりになるリスクが高くなることが知られています。
高齢者には、1日、100gの肉を食べることが推奨されている
そして、高齢者には、積極的に肉を食べることが推奨されています。
東京都健康長寿医療センター研究所(東京・板橋)が、高齢者を8年間追跡調査した結果、体重を身長の2乗で割って出すBMI(体格指数)が20以下のやせている高齢者は早く亡くなる傾向を見つけました。
BMI(体格指数)= 体重[kg] ÷ (身長[m]×身長[m])
BMI指数 | 痩せ気味 | 普通 | 太り気味 | 太り過ぎ |
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判定 | 20未満 | 20~24未満 | 24~26.5未満 | 26.5以上 |
早く亡くなる原因として推測されること
- 老化によって食が細くなるとともに、栄養の吸収が下がり、栄養不足になりやすい状態あります。
- 特に、タンパク質が不足すると、足腰の筋肉が低下します。
- 足腰の筋肉が、低下することにより、転倒による骨折のリスクが高まり、骨折が原因となり、寝たきりになることがあります。寝たきりになると、血流量が低下するので、認知症のリスクも高まります。タンパク質が不足することにより、病原体から身を守る免疫機能が低下しがちになります。
肉を食べることによる健康への効果
- 貧血を防止する肉に含まれる鉄分は、吸収効率が20~30%と植物精のものに比べて2~5倍吸収されやすい。
- 血圧上昇を抑制する肉に含まれる必須アミノ酸のメチオニンは、血圧の上昇を抑えます。
- 脳卒中を防止する脂肪に含まれるコレステロールは、適量なら血管を丈夫にし、脳卒中を防止します。
- 免疫力が向上する動物性タンパク質は、免疫力を高めます。特にがん細胞などを殺す細胞の働きが良くなります。
- うつを防止する不足するとうつ状態になるとされる脳内物質セロトニンは、肉に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンから作られます。
高齢者の肉の1日の摂取目安は、100g
厚生労働省は大人が1日に摂取するたんぱく質の目安を男性60グラム、女性同50グラムに設定しています。高齢者の場合、栄養の吸収力が落ちているので、100gを目安に摂取すると良いといわれています。
噛む力が衰えている場合は、ひき肉を使った料理や豚の角煮など柔らかくなるまで長く煮込んだ料理が向いています。
高齢者でも、3~4日、肉類を毎日100g食べると、張りのある肌に戻る、元気になる、寝付きや目覚めが良くなる例もあるそうです。
お肉がスタミナが付く理由
“スタミナ不足”は、体がタンパク質を欲している状態です。タンパク質は、筋肉や体組織の修復・再生、血液や体液などの新生に欠かせない栄養素で、不足すると疲れを感じ、“スタミナ不足”を感じます。
大豆などの植物からでもタンパク質は摂取できますが、お肉には、ビタミンBやミネラルなど、代謝を促してくれる栄養素も豊富に含まれているため、体が、より効率的にタンパク質を摂取できます。
お肉をばかり食べると腸内環境が悪化する
お肉ばかり食べていると、腸内環境が悪化します。腸内環境を正常に保つ野菜や果物、穀物など植物性の食品を摂ることも大切です。
ご飯を、白米から、玄米に変えることも腸内環境の改善には、有効です。
お肉でダイエット?
お肉でダイエットというと、ライザップのような、炭水化物などの糖質を極力摂取せずに体を動かす、糖質制限ダイエットがまず思い浮かぶと思います。
炭水化物の摂取を制限しなくても、お肉を先に食べることで、ダイエット効果があるそうです。
TBSテレビ「名医のTHE太鼓判!★お肉ダイエット★」より
- 朝と昼の食事に制限はない。
- 夜の食事に150gの赤身肉の8割を先に食べてから他のものを食べる。その後は、炭水化物を食べても構わない。
- あきが来るので、途中から、週に2~3回に減らす。継続が大切
テレビでは、体験したタレントの方の場合、体重とウエストとコレストロール値が減っていました。
お肉を先に食べることによるメリット
タンパク質には、食欲に満足感を与え、食欲を抑える働きがあります。そのため、お肉を先に食べると、早く満腹になり、結果的に食べる量をへらすことができるそうです。つまり、お肉を先に食べれば、ご飯(糖質)を摂取する量を我慢せずに減らすことができます。また、腹持ちが良いので、間食を減らす事ができます。
お肉に含まれる「インレクチン」が、血糖値の上昇を抑制する働きがあるので、野菜を先に食べるより、血糖値の上昇を抑制することができます。
お肉には、噛みごたえがあるため、噛む回数が増えます。その事により、以下の効果があります。
よく噛むことの3つのメリット
- 満腹中枢を刺激する
- 内臓脂肪を燃焼
- ストレス食いを予防(脳内でヒスタミンが分泌)
お肉に含まれる「L-カルニチン」は、脂肪燃焼を助ける働きがあります。「L-カルニチン」は、筋肉中のミトコンドリアに、脂肪を運ぶ働きをするそのため、ご飯やパンなどの糖質を摂取するより、お肉を摂取したほうが、体は、脂肪をエネルギーとして消費しやすくなります。
「L-カルニチン」の量は、資料によって、上下しますが、羊や牛の赤身肉に多く含まれています。羊の肉は、扱っているお店が限られるので、牛の赤身肉を積極的に摂取すれば良いと思います。
鶏肉 | 33mg |
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豚肉 | 69mg |
牛肉 | 131mg |
出典:日本栄養・食料学会誌
鶏肉 | 4.55~9.10 mg |
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豚肉 | 35mg |
牛肉(ヒレ肉) | 59.8 mg |
ラム(仔羊)肉 | 80mg |
羊肉(マトン)肉 | 208.9 mg |
牛乳 | 1.9 mg |
鶏卵 | 0.8 mg |
パン | 0.2 mg |
ニュージーランド食肉研究所調べ
お肉を食べてコレステロール値を減らす
お肉の油には、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸など、脳卒中や心筋梗塞の原因になるといわれる、悪玉コレステロール値(LDL)を下げる成分が多く含まれています。そのため、継続的に摂取すると、悪玉コレステロール値(LDL)の値が改善します。
豚 | 69% |
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牛 | 63% |
含まれているオレイン酸の量の比較
- 豚肉に含まれるオレイン酸 100gに、14g
- オリーブオイル(大さじ1杯)約9gのオレイン酸が含まれている。
オレイン酸は、血中の悪玉コレステロールだけを減らし、オレイン酸の量が多いほど、お肉の甘みが増し、口溶けも良くなります。
悪玉コレステロール値(LDL)の値を改善するには、豚肉が適しており、3食のうち1食を豚肉料理(100~150g)にすると効果的です。
お肉を食べて健康に
以前は、コレステロールの少ない食事、つまり、肉の少ない食事をすると健康になると言われていました。
しかし、近年、長寿高齢者の食生活を調査する事により、お肉を積極的に摂取したほうが健康的に過ごせることがわかってきました。
ただ、お肉をたくさん食べると腸内環境が悪化するので、食物繊維の摂取も合わせて増やすなどの配慮も必要です。
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